台風7号は16日の日中に神奈川県へ最接近する見通しだ。関東直撃コースの台風としては「最強クラス」で、千葉県内で送電線の鉄塔が倒れるなどして大規模停電が起きた2019年9月の台風15号(房総半島台風)に似ているという。暴風への厳重な備えが呼びかけられている。
横浜地方気象台は14日、台風7号に関する新たな気象情報を発表した。神奈川県には16日の日中に暴風域を伴って最接近する見通しで、暴風や高波、土砂災害、低い土地や地下施設への浸水、河川の増水や氾濫に警戒するよう呼びかけている。高潮にも注意を促している。
気象台によると、台風7号は14日午後3時時点で、小笠原諸島・父島の西南西約150キロにあり、1時間におよそ15キロの速さで北東へ進んでいる。中心気圧は975ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は30メートル。今後、発達しながら北上する見込みだ。
その影響で神奈川県内は16日、雷を伴って非常に激しい雨の降る恐れがある。同日夕までの24時間に東部の多い所で150ミリ、西部は200ミリの雨を予想。その後、17日夕までの24時間では、東部、西部とも50ミリを見込んでいる。
海上を中心に非常に強い風が吹き、16日に予想される最大風速は陸上で20メートル、海上は25メートル。最大瞬間風速は陸上、海上ともに35メートル。海上はうねりを伴ってしける見通しだ。
横浜国立大台風科学技術研究センター長の筆保弘徳教授は「猛暑を背景に海面水温がとても高くなっている海域を進むため、台風の勢力が衰えないまま接近する」と危険性を指摘。「今回は特に風への備えが欠かせない。植木鉢や自転車など外に置いている物をできる限り中にしまい、飛来物を減らすことが重要。停電に備え、水をためたり、バッテリーを充電したりしておくことも大切」とした上で、「お盆のUターンラッシュと重なるが、台風で足止めされると二次災害の熱中症が心配される。予定の変更も検討してほしい」と呼びかけている。