古くは室町時代から始まるといわれ、五穀豊穣(ほうじょう)、悪疫退散などを祈願する盆の恒例行事「瓜生野百八松明(うりうのひゃくはったい)」が14日夜、神奈川県秦野市南矢名の瓜生野地区で5年ぶりに行われた。市民ら約200人が見守る中、炎の光跡が闇夜に描かれ、周囲は熱気に包まれた。
同地区に受け継がれ、現在は瓜生野百八松明保存会(尾澤英太郎会長)が伝えている。今回はコロナ禍や悪天候により5年ぶりの開催で、会員ら25人が麦わらで長さ約3メートルほどのたいまつを作り、権現山(標高243メートル)の山頂に運んだ。日没後に火の付いたたいまつを担いで下山し、麓にある龍法寺の門前で豪快に振り回した。
写真愛好家らが構える前で勇壮な光景が繰り広げられ、炎の熱気も重なって最高潮に。尾澤会長は「5年ぶりの再開だったが滞りなくできて良かった。各世帯の参加を増やしてにぎやかさを取り戻し、伝統を継承していきたい」と話していた。
近くの会場では百八松明とともに伝わる瓜生野盆踊りも披露された。