三浦市・三崎地区にある同市役所(神奈川県三浦市城山町)の引橋地区への移転を巡り、三崎地区の住民有志は20日、4781筆の署名を添えて三崎地区への出張所設置を求める陳情書を市に提出した。
市役所は2026年4月、市の中央部に当たる市民交流拠点(同市初声町下宮田)に移転する。陳情書では「市役所が移転したら三崎地区は非常に不便になる」として、三崎地区の市民に利便性を確保するため出張所設置を求めている。
三崎地区への出張所設置について、吉田英男市長はこれまで、行政事務を4カ所で受けるのは効率的でないなどと消極的で、代わりに移動出張所を設置する考えを示している。
これに反発する住民らが結成した「求める会」は今年5月から、3千筆を目標に署名活動を展開してきた。
同会によると、陳情書提出の場では「引橋まで行くのは大変。もっと高齢者のことを考えてほしい」「津波など災害時にも三崎地区に出張所があり、顔を知っている市の職員がいれば安心」などと方針の見直しを求める声が相次ぎ、「来年の市長選の大きな争点になる」との意見もあった。
陳情書を受け取った星野拓吉副市長は「市長に伝える」と述べるにとどまった。