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横浜市教委、異例の大量処分26人 いじめ自死と傍聴妨害、前教育長も減給相当

カナロコ by 神奈川新聞 2024年8月23日 22時52分

 いじめ被害を受けた横浜市立中学2年の女子生徒が2020年に自殺した事案と、市教育委員会の教職員による性加害事件の公判で第三者の傍聴を妨害した問題を巡り、市教委は23日、法律に基づく対応を怠ったなどとして、退職者を含む当時の幹部職員延べ26人を処分したと発表した。また、それぞれの問題への対応を誤ったとして、山中竹春市長が前教育長に「減給相当」などの注意を言い渡した。

 市教委はいずれについても、地方公務員法に基づく懲戒処分だけでなく、社会的な影響の大きさを踏まえて法律上の効力を持たない人事的な処分にも踏み切ったため、対象者は異例の規模となる26人に上った。同日の会見で山岸秀之総務部長は「教育行政に対する信頼を著しく損ねたことを心よりおわび申し上げる」と陳謝した。

 ただ、女子生徒の事案を巡っては、学校が自死後にいじめ被害を認めて報告書を作成したにもかかわらず、市教委人権健康教育部などが報告を取り下げさせていたことが新たに判明したほか、取り下げに至るやりとりの記録も残していなかったという。いじめ防止対策推進法に基づいて速やかに重大事態調査へ移行せず、学校から遺族への報告書案にあった「いじめ」の文言を最終的に削除するなど、既に明らかになっている経緯も含めて組織の体質が浮き彫りとなった。

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