岸田文雄首相の後継を選ぶ自民党総裁選(9月27日投開票)を巡り、河野太郎デジタル相(衆院神奈川15区)と小泉進次郎元環境相(同11区)が出馬の意向を固め、神奈川から首相候補2人を“輩出”しそうな展開だ。既に10人を超える名前が挙がり大混戦の様相をみせる中、注目されるのは県関係議員の支持動向。地元の河野、小泉両氏に、いち早く立候補を表明した小林鷹之前経済安全保障相を加えた3人に支持が分散しているとみられ、派閥の実情や次期衆院選も絡み、さまざまな思いが交錯している。
今回で3度目の総裁選挑戦となる河野氏は26日に出馬表明を控えており、党の危機を強く訴えて「党改革の必要性を掲げる」(中堅議員)見通しだ。麻生派に所属し、派閥を率いる麻生太郎副総裁が出馬に理解を示すものの、派閥としては河野氏支援で一致結束できていない。
同派重鎮で県内地盤の甘利明前幹事長(比例南関東)は小林氏を高く評価しており、支援に動くとの見方がもっぱらだ。小林氏は旧二階派だが、経済安全保障政策の“師匠”が甘利氏で、岸田内閣発足時の初入閣前から意見交換してきた関係だ。
麻生派は河野氏を軸にしつつも、他の候補者への支持を妨げない方針を掲げる。県関係の衆参議員19人のうち10人を占める同派議員は河野氏と小林氏とで支援が割れるだけでなく、30日の出馬会見で調整している小泉氏の支援に回る議員も見え隠れしており、派内は3分裂となりそうだ。