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河野太郎氏、総裁選に出馬表明 原発維持は容認「電力需要、急激に伸びる」 裏金議員には返納求める考え

カナロコ by 神奈川新聞 2024年8月26日 14時6分

 自民党の河野太郎デジタル相(61)=衆院神奈川15区=は26日、国会内で記者会見し「総裁選に出馬いたします。岸田総理の後を受け日本を引っ張りたい」と自身3度目となる党総裁選(9月27日投開票)への出馬を表明した。前回総裁選の党員票獲得で岸田文雄首相ら他候補を寄せ付けなかった河野氏の立候補は10人超の出馬が取り沙汰される激戦に拍車をかけそうだ。

 党派閥の裏金事件への対応を巡り「国民へのけじめをつけて政治を前に進めたい」として、いわゆる「裏金議員」に対し「政治資金収支報告書への不記載額の返納を求めていく」ことを明らかにした。「捜査当局的な処分は終わっているが、政治家としてはそれでは責任を果たしたことにならない」などと説明した。

 原発政策については「今後、電力需要が予想を上回り急激に伸びる」などとして原子力発電の維持を容認する意向を示した。

 「再生可能エネルギーの伸びを維持していけば原発に頼らなくても足るとの構図が、データセンターなど新規電力需要の拡大で成り立たなくなった」などと説明。「電力が不足するからといって海外に情報拠点を構えるような策は望ましくない」とした。

 前回総裁選では同じ神奈川県勢の菅義偉前首相(神奈川2区)と小泉進次郎元環境相(11区)と連携したが、今回は菅氏が出馬の意向を固めた小泉氏の支援に回る方針であることを問われ、「総裁選が終わればワンチーム」と将来の連携再開への期待をにじませた。

 3度目の総裁選挑戦となることを踏まえ「戦いの構図は毎回違う」と強調。「菅さんも進次郎さんも同じ神奈川。今回もお二人とはここまでいろいろと話をしてきたし、総裁選で議論を深めていきたい」と抱負を述べた。

 選択的夫婦別姓制度については「選択なのだから進めていくべきだと考えている」として導入に前向きな姿勢を示した。

 前回総裁選では1回目の投票で党員票(382票)の4割超(169票を)を得たが、国会議員票を主とした決選投票で岸田氏に敗れた。麻生太郎副総裁の派閥に所属し、今回も麻生派議員有志らの支援を受ける。

 前回総裁選で河野氏を支援した石破茂元幹事長は24日に立候補を表明。小泉氏も30日に出馬会見を予定している。党内の人気上位を占め続けてきた「小石河連合」が一転、競い合う見通しだ。他候補がその間隙を突く可能性も出てくるなど、戦いの構図が複雑化しそうだ。

 総裁選へは石破氏のほか小林鷹之前経済安全保障担当相も19日に会見し出馬を表明。26日までに合わせて12人が出馬に意欲を示している。

 河野氏は1996年の衆院選で初当選し9期目。これまでに外相、防衛相、行革やワクチン接種の担当相などを歴任した。X(旧ツイッター)のフォロワーは250万人以上に及ぶなど交流サイト(SNS)での発信力の強さも知られる。祖父は元副総理の一郎氏、父は党総裁や衆院議長などを務めた洋平氏。

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