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引退した小田急電鉄の「2200形」後世に 愛好家ら保存会、費用捻出へクラファン

カナロコ by 神奈川新聞 2024年8月27日 5時20分

 引退した小田急電鉄の電車「2200形」を後世に残そうと、愛好家らでつくる保存会がクラウドファンディング(CF)を行っている。解体予定だった2両を引き取り、山梨県内から搬出する費用などを募っている。保存会のメンバーは「貴重な文化遺産。永続的な保存・管理体制を整え、将来的には小田急沿線の地域に里帰りさせたい」と夢見る。

 2200形は1954年から製造され、高度経済成長期に通勤・通学車両として活躍した。82年から一部の車両が富士急行(現・富士山麓電気鉄道、山梨県)に譲渡され、97年に引退した。

 このうち、ペアを組んでいた2211号と2212号の2両は、同県内の企業事業所に引き取られ、社員の厚生施設として活用されてきたが、車両を置く敷地の事業利用が決まり、解体・撤去する話が持ち上がったという。

 ここに待ったをかけたのが愛好家たちだ。小田急の旧車両「1800形」の修復・維持に取り組む松葉実さん(64)=座間市=は「解体・撤去されれば、その姿を永遠に見られなくなってしまう」と危機感を抱いた。企業の担当者にCFを相談したところ、引き取りを前提に解体が延期されたという。

 松葉さんは、別の車両をCFで“救出”した実績を持つ。その際に知り合った今井美槻さん(32)=東京都=は「松葉さんたちが貴重な車両を守り抜いてきてくれた。バトンを次世代に引き継いでいかなければと思った」と話す。

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