材料や製品を適正価格で取引する「フェアトレード(公正な貿易)」で仕入れたコーヒー豆を使った鎌倉発のドリップコーヒー「鎌倉焙煎珈琲(ばいせんコーヒー) フェアトレードかまくらブレンド」が28日、全国のスーパーやコンビニなどで発売される。鎌倉市内でフェアトレードの取り組みを進める市民団体「鎌倉エシカルラボ」と地元メーカーが企画し実現した。フェアトレードをうたったコーヒー商品の全国展開は珍しいという。
かまくらブレンドはブラジルやコロンビアなどの途上国から地元の生産者や労働者に十分な利益が還元されるよう適正な価格で仕入れたコーヒー豆を使用。フェアトレード商品を購入することで、弱い立場の生産者らの自立や途上国の支援にもつながる。
同市内に工場を持ち、「鎌倉焙煎珈琲」シリーズを展開している三本珈琲(横浜市神奈川区)が「地元企業として鎌倉で活動し、地元のPRにつながる商品を作りたい」と発案しエシカルラボに相談したのがきっかけ。エシカルラボは昨年5月に鎌倉市のフェアトレードタウン認定を目指して立ち上がり、同社とともにフェアトレード商品開発に向けてタッグを組んだ。
今年5月のフェアトレード月間では市内を中心に20カ所で市民らに試飲とアンケートを取り、味やパッケージデザインを投票して決定。自家焙煎をイメージしたほろ苦い味わいとし、パッケージは七里ケ浜の海から見た富士山の写真と江ノ島電鉄鎌倉高校前駅の踏切のイラストが採用された。