台風10号に伴う大雨の影響で鶴見川が増水し、横浜市港北区の日産スタジアムなどがある多目的遊水地（総貯水量390万立方メートル）に30日、水が流れ込んだ。国土交通省京浜河川事務所によると、遊水地に増水時の水が流れ込んだのは昨年6月の台風2号以来で24回目。
この遊水地は、台風や豪雨で鶴見川の水かさが増すと、周囲の堤防より高さを3メートル低くした「越流堤」（高さ約6.6メートル）を超えて水が遊水地内に流入する仕組みとなっており、鶴見川の水位が下がれば、排水門を使って排水する。
30日午後2時過ぎの時点では、鶴見川に隣接して整備された遊水地内のグラウンドやテニスコート、駐車場、トイレなどが水没していた。鶴見川の水位は平常時の2メートルほどから約6.8メートルまで上昇しており、遊水地近くにある鶴見川流域センターのスタッフは「遊水地に水が来るのは1～2年に1回あるかないか。もう少し水はたまりそうだが、早く雨がおさまってほしい」と話した。
同遊水地は2003年に運用を開始し、これまでの最多貯水量は14年10月の台風18号による約153万6千立方メートル。前回は昨年6月の台風2号で約3万5千立方メートルが流入した。