台風10号に伴う大雨により県西部では30日、各地で崖崩れが相次ぎ、住宅が一部倒壊したほか、国道246号が通行止めとなるなどの被害があった。
小田原市城山では午前5時過ぎ、崖崩れとともに住宅の1階部分が倒壊した。けが人はなかった。
住民の70代女性によると、午前5時ごろに起床し、母屋の居間に行ってテレビを付けたところ、別棟1階の寝室からバリバリという音が聞こえた。「寝室部分が崩れていて、起きるのがもう少し遅かったらけがをしていた」と話していた。
また、近くの小田原競輪場(同市城山)でも敷地内で崖が崩れ、飲食物の売店が被害を受けた。レースを行う競争路に被害はないため、9月8日のレースは実施する方向で検討しているという。
秦野、伊勢原市境にある国道246号の新善波トンネルでは午前6時45分ごろ、伊勢原側入り口ののり面が崩れた。伊勢原署によると、走行中の車両数台が巻き込まれたが、けが人はいなかった。影響で秦野市側の名古木交差点から伊勢原市側の西河内交差点が上下線で通行止めとなった。
トンネルの秦野側では警察官が「土の匂いがする。Uターンを」などと車を誘導。近くの名古木地区では泥水が246号方面に大量に流れ出して路面を茶色に染めていた。近隣の女性は「こんなことは初めて。どうなるのかしら」と不安そうに見つめていた。
秦野市内にある弘法山近くの市道でも土砂崩れが発生。木や土砂が道路を完全に覆って寸断していた。混雑する主要道路を避けてきた車がUターンするなど、混乱が生じていた。