自民党の河野太郎デジタル相(衆院神奈川15区)は30日、神奈川新聞社の単独インタビューに応じ、党総裁選への出馬会見で発表した原子力発電所のリプレース(建て替え)も選択肢とした原発政策について、持論の「脱原発」を事実上棚上げしてでも温暖化対策を急ぐべきだと主張した。「台風一つとっても温暖化の影響が相当ある。化石燃料を早く脱却しないと人類の存亡にも関わってくる」と危機感を示した。
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─台風10号への対応は。
「県内でも二宮町や平塚市をはじめ多くの被害が出ている。命を守ることを最優先に対策をお願いしたい。デジタル庁は国の情報システムを預かっている。万全を期すため、この週末を含めて何かあればすぐ登庁できる体制をとっている」
─原発政策を大きく転換した理由は。
「電力需要は2007年をピークにずっと17年間下がっている。50年に再生可能エネルギー(再エネ)を今より倍のペースに上げるのは相当大変だとは思うが、それをやれば50年に再エネで電力需要は賄えると思ってきた。しかしデータセンターの立地が広まり、最近はAI(人工知能)が発展したことで電力需要がますます増える見通しになった」
「この電力需要に対して確実に供給できる道筋を今は描けていない。再エネや原発再稼働による供給でも見えていない部分がある。省エネで需要を減らすとともに、水素やアンモニア、核融合の前倒しなど、必要な需要を満たすために今の時点ではいろいろな方向に(エネルギー政策を)張っておく必要がある」
─「脱原発」を訴えてきただけに批判も多い。
「台風一つとってみても温暖化の影響が相当ある。化石燃料をなるべく早く、日本だけではなくて世界的にも早く脱却しないといけない。人類の存亡にも関わってくる」