Infoseek 楽天

台風10号に伴う大雨、神奈川で400ミリ超 河川が氾濫、土砂崩れも

カナロコ by 神奈川新聞 2024年8月30日 22時20分

 台風10号や暖かく湿った空気の影響で、神奈川県内は29日から30日にかけて西部を中心に400ミリを超える記録的な大雨となり、河川の氾濫・増水や土砂崩れが相次いだ。県の集計では、小田原市と平塚市で計3人が負傷した。県と横浜地方気象台が発表した土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当)は計26市町村に上り、二宮町は町内の川があふれたとして警戒レベル5の緊急安全確保を発令した。県は平塚、小田原、秦野、厚木、伊勢原、大磯、二宮、中井、大井、湯河原の10市町に災害救助法を適用した。

 県によると、29日に小田原市内で70代女性が負傷したほか、30日午後には平塚市内で転倒するなどした50代と80代の女性計2人が軽傷を負った。

 住宅は小田原市や平塚市などで計4棟が損壊。床上浸水は平塚市や二宮町などで計7棟、床下浸水は二宮町や大磯町、平塚市、相模原市などで計27棟が確認されている。

 1級河川の多摩川や相模川も増水し、日産スタジアムがある鶴見川多目的遊水地(横浜市港北区)には、川からあふれた水が流れ込んだ。小田急線の線路で盛り土が流出するなど、交通機関にも影響が広がった。

 小田原市では24時間の雨量が観測史上最大となる331.0ミリを記録。降り始め(29日午前6時)からの総雨量は30日午後8時現在、同市の448.0ミリが最も多く、箱根町で359.5ミリ、相模原市中央区では350.0ミリを観測した。

 台風接近前としては異例の雨量で、気象台は「当初の予想を上回る大雨」と説明。「台風が停滞していたため、暖かく湿った空気が同じ場所に流れ込み続け、山沿いを中心に雨雲が発達した」とみている。

 気象台によると、31日も引き続き1時間に30~40ミリの激しい雨が降る恐れがある。同日夕までの24時間に予想される雨量は東部で120ミリ、西部は150ミリ。9月2日にかけて、さらに雨量がかさむとみて、土砂災害に厳重な警戒を呼びかけている。多くの自治体が避難指示を発令し、避難所を開設している。

この記事の関連ニュース