台風10号や暖かく湿った空気に伴う記録的大雨で、横浜地方気象台は31日、引き続き土砂災害への厳重な警戒を促す気象情報を発表した。神奈川県内では雨が小康状態となった地域もあるが、大気の不安定な状態は続いている。9月3日ごろにかけて大雨になる恐れがあるとして、低い土地や地下施設への浸水、河川の増水にも注意を呼びかけている。
県内では8月31日午前8時現在、横浜、川崎、相模原、平塚、小田原、二宮など計26市町村に警戒レベル4相当の土砂災害警戒情報が発表されており、多くの自治体が崖地沿いの住民らに対する避難指示や避難所の開設を継続している。
気象台によると、降り始めとなった29日午前6時から31日午前6時までの時間雨量は、小田原市で461.5ミリ、海老名では375.5ミリに達し、それぞれ観測史上1位を更新した。台風周辺や太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込み、県西部の山沿いを中心に記録的な大雨となっている。
このほか相模原市中央区(371.0ミリ)と箱根町(368.5ミリ)、山北町と平塚市(各320.0ミリ)でも降り始めからの雨量が300ミリを超えている。これまでに降った雨で地盤が緩んでおり、少ない雨でも土砂災害の危険度が高まる恐れがあるという。
県内では9月1日かけて1時間に30~40ミリの激しい雨が降る所がある。同日朝までの24時間に予想される雨量は、東部で100ミリ、西部は120ミリ。その後、2日朝までの24時間では、東部で120ミリ、西部では150ミリを見込んでいる。さらに3日にかけて雨量がかさむという。