台風10号と暖かく湿った空気による記録的大雨で、横浜地方気象台は31日、県内では9月1日午前にかけて線状降水帯が発生する可能性があると発表した。降り始めからの雨量(8月31日午後6時時点)は小田原市で500ミリを超え、海老名市と山北町、箱根町で400ミリに達したが、県西部の多い所では1日夕までの24時間でさらに300ミリの雨が降るとして、土砂災害に厳重な警戒を呼びかけている。
31日の日中はいったん雨が小康状態となったが、夕方から再び、県央・県西エリアなどで激しい雷雨となった。山北町では1時間に85ミリの猛烈な雨が観測された。警戒レベル4相当の土砂災害警戒情報はほぼ全域に出されており、多くの自治体が避難指示や避難所の開設を継続。台風の速度が遅く、台風本体から離れた地域に活発な雨雲が流れ込んでいるため、影響が長期化している。
気象台によると、1日にかけて東部で1時間50ミリ、西部では同60ミリの非常に激しい雨が降る恐れがある。1日夕までの24時間に予想される雨量は東部の多い所で200ミリ、西部は300ミリ。その後、2日夕までの24時間では、東部が100ミリ、西部では120ミリを見込んでいる。
被害も拡大している。31日夕までの県集計では、住宅の床上・床下浸水は、河川の氾濫が起きた二宮町や平塚市を中心に計50棟に増えた。崖崩れなどで損壊した住宅4棟のうち小田原市内の1棟は全壊判定に変更された。土砂崩れは平塚市や大磯町、湯河原町などで60件以上が報告されたが、県は「集計中の自治体もあり、さらに増える見通し」としている。負傷者は計4人となった。