気象庁が発表する台風情報の高度化に向けた有識者らの検討会が4日、始まった。鉄道の計画運休など台風接近前の防災対応が広がる中、現行より早い段階からの注意喚起と、強風や高波などに関する詳細な情報の提供を目指す。海外の先進事例も参考にしつつ、来年6月ごろをめどに具体案をまとめる予定だ。
台風情報は発生の24時間前から発表が始まり、中心の位置や気圧、予想進路といった内容を経路図などの形で示している。台風に伴う現象のうち、風や高波、高潮については、雨量ほど詳しい情報を提供できておらず、台風の強度に関する予測精度があまり向上していないという課題もある。
検討会は、気象や防災情報の専門家、メディア関係者らが委員。(1)早めの備えを促す情報(2)台風の特徴を伝えるきめ細かな情報─の二つを検討課題とした。
この日の初会合では、鉄道の計画運休が定着し、台風の影響が及ばないエリアへの事前の広域避難の検討が進む中、台風接近前の情報ニーズが高まっていることを共有。建設や物流、海運、電力業界などからは、休工判断や日程変更、復旧対応などのため、1カ月前や1週間前からの情報発信が期待されているとの聞き取り結果も確認した。