1923年の関東大震災直後、「朝鮮人が暴動を起こしている」という流言を信じた日本人に虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式典が7日、横浜市西区の市営久保山墓地で開かれた。虐殺は植民地支配という国策が朝鮮人への差別と敵意をあおり、民衆をジェノサイド(集団殺害)に駆り立てた。参加者約300人が参加し、「公の差別」が扇動した官製ヘイトクライムへの反省を刻む追悼のメッセージを地元首長に求めた。
主催の「関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会」のメンバーが犠牲者の名簿を読み上げていった。
「9月2日午後2時、南電車軌道内で虐殺された。氏名不詳、男、22、23歳ぐらい」「氏名不詳、男」「氏名不詳」…。
同会が昨年公表した新史料「震災ニ伴フ朝鮮人並ニ支那人ニ関スル犯罪及保護状況其他調査ノ件」には、県内で朝鮮人虐殺が57件起き、145人が殺されたと記されている。うち名前が判明しているのは14人。101年たっても政府は実態調査すら行っていない事実が「終わらない虐殺」を浮き彫りにした。