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きっかけは健康診断、40代から走り世界へ マスターズスカイランニング6位の中川さんが訴えたいこと

カナロコ by 神奈川新聞 2024年9月9日 5時10分

 相模原市緑区在住の会社員中川善博さん(56)が4月、険しい山岳を駆ける「スカイランニング」のマスターズ世界選手権に初出場した。若い頃は運動競技の経験がなく、43歳の時に不健康を自覚してウオーキングから始めた。目標を持って走り続けてきた中川さんは、「運動の経験や才能がなくても、年齢を重ねても、生涯にわたってスポーツを頑張ることができる」と同世代に訴える。

 中川さんは仕事の傍ら、トレーニングで1カ月に約400キロを走る。平日は15キロほど、休日は約40キロ走るといい、プロのコーチの指導も受けている。

 身長181センチ、体重63キロの引き締まった体形だが、若い頃から運動を続けてきたわけではない。かつては体重が90キロほどあった。

 43歳以前の数年間、仕事は単身赴任で長時間労働、外食中心の生活が続いた。健康診断で医師に「運動しないと良くない」と言われ、決心した。

 「最初の3年くらいは体重を落とすのがつらかった」。満足に走ることができず、30~40分程度のウオーキングから始めた。徐々に走れるようになり、体重を落としてマラソン大会に出ようと根気強く続けた。

 3年ほどでハーフマラソンを走り、その後フルマラソンを完走。100キロ超のマラソンやスカイランニングに挑戦するようになっていった。「徐々に目標を上げていった。目標を積み重ねて今がある」と言う。

 スカイランニングと出合ったのは50歳の頃だった。トレーニング仲間から、山を走る大会があると聞いて挑戦したくなった。国内大会への出場を重ね、昨年9月の全日本選手権で金メダルを取って世界大会出場資格を得た。

 今年4月にポルトガルで、40歳以上が対象の「2024マスターズスカイランニング世界選手権」に出場。山岳の不整地でアップダウンが激しく、岩場をよじ登るような場所もある55キロのレースに挑み、個人で6位、団体(日本代表)で3位の成績を収めた。

 「個人ではメダルを取れなかったので、来年リベンジしたい」。初めての世界大会を終えた中川さんは次の目標を掲げ、再び世界選手権に出場するため、今年10月の全日本選手権に向けて取り組んでいる。「生涯スポーツ」を掲げ、これからも長く、永く走り続ける。

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