マイナンバーカードと健康保険証の一体化を巡り、河野太郎デジタル相（衆院神奈川15区）は10日、閣議後のオンライン会見で、現行保険証の廃止期限（12月2日）の見直し検討に言及した林芳正官房長官に対し、「（廃止期限の）政府方針に変わりないということは（林氏も）会見でおっしゃっていると思う」と述べ、発言の真意を巡り不信感をにじませた。
自民党総裁選に立候補を表明している林氏は7日、「不安の声にしっかり応えて、納得してマイナ保険証に移行してもらう。そのために必要な見直しを行いたい」と記者団に語った。これを受け、マイナ保険証導入の旗振り役を担う河野氏は8日、「林氏も閣内で政策を推し進めてきた一人だ。発言の真意を確認しなければいけない」とけん制していた。
自らも出馬を表明している河野氏は、会見で林氏の官房長官としての資質を問われると「任命した（岸田文雄）総理に尋ねていただきたい」とかわした。
出馬を表明している石破茂元幹事長も8日、「期限が来ても納得しない人がいっぱいいれば、併用も選択肢として当然だ」と記者団に述べ、保険証の廃止期限の見直しはあり得るとの考えを示している。総裁選では保険証の廃止期限が争点の一つに浮上しそうだ。