キリンホールディングス(HD、東京都)は12日、化粧品大手のファンケル(横浜市中区)への株式公開買い付け(TOB)が11日に成立したことを発表した。ファンケルの臨時株主総会で残りの株を併せて取得し、年内にも完全子会社にする。ファンケルは上場廃止となる見込み。
キリンは健康食品に強みを持つファンケルを取り込み、国内の縮小が見込まれる酒類市場から、新しい事業の柱として健康食品事業を成長させる。
TOBは6月17日から開始し、買い付け予定株の下限を上回る5194万6863株(42.72%)の応募があった。既に取得していた株式と合わせて約75%を保有する。期間中に香港のファンドがファンケル株を買い増ししたため、キリンはTOB期間を3度延長。価格も当初の1株2690円から2800円に引き上げた。
ファンケルの島田和幸社長は「キリングループとシナジー(相乗効果)をより短期間で最大化できる。『美と健康』を一体化していく」とコメントした。ファンケルは、化粧品事業の展開など今後の方針は6月14日に発表した内容と変わらないとしている。