自民党総裁選を巡り、16日に開かれた党青年局・女性局主催の候補者9人による公開討論会では、県内選出の小泉進次郎元環境相(衆院11区)と河野太郎デジタル相(15区)が直接対決する場面が見られ、巨額の財政赤字の立て直し策や規制改革で論戦を交わした。
「財政規律を取り戻す」との立場を示している河野氏は、「今、日本は徐々に金利が上がりつつある中で政府債務は非常に大きい状況になっている」として、財政健全化の方向性を小泉氏に質問。これに対し、小泉氏は「経済なくして財政なし」と財政出動を起点にした経済活性化を明言し、首相になれば物価高対策の検討を指示するとした。
さらに小泉氏は「過度に単年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)にこだわることで、ようやくデフレからインフレへ経済成長型のモデルになってきたところに水を差してはならない」と強調。2025年度に黒字化させる現在の政府目標にこだわらない考えも示した。
一方、河野氏に対する質問で、小泉氏は能登半島地震で派遣された「移動薬局車」を平時でも使える規制改革の必要性について確認。河野氏は「薬局がない町が増えている。電子処方箋が広まれば、薬などをドローンで配送する新しい物流を規制緩和で進めたい」と意欲を示した。