22日投開票の座間市長選に立候補した、いずれも無所属で、新人で元市議の沖本浩二氏(64)と現職の佐藤弥斗氏(54)=届け出順=の2人に、神奈川新聞社は市政課題や選挙公約に関するアンケートを実施した。これを基に、現市政に対する課題認識や掲げる政策などを紹介する。
◆市が抱える最重要課題は
市政が抱える最重要課題として、沖本氏は人口減少を挙げた。「(約13万人の)座間市では人口減少が始まってしまったが、近隣市の人口は増えている状況からすると最低限、人口を維持していかなければならない」と訴える。
佐藤氏は保育所の待機児童解消を挙げる。ゼロ達成を1期目の公約に掲げながら今年4月1日現在で30人おり、県内自治体ワースト2位にとどまって大きな進展は見られなかった。佐藤氏は「子どもたちの健やかな成長、働く保護者のサポート、労働力不足への対応から重要性が高い政策」として引き続き最優先で取り組む考えだ。
このほか、老朽化する公共施設の更新への取り組みは、両氏が上位の市政課題に位置付けた。
◆最も力を入れる政策は
最も力を入れる政策は、沖本氏が「小田急相模原駅前のペデストリアンデッキ整備を凍結したことで失われた国や県との信頼関係の修復に努めることが急務」と個別の事案を挙げたのに対し、佐藤氏は自身が策定した「第五次総合計画(2023~30年度)の着実な実行」と総括的に示した。
また、2番手以降の政策は、沖本氏が「災害から市民を守る」「子育て・福祉の施策拡充」。佐藤氏は持続可能な社会を実現する「SDGs未来都市へ」や「近隣市との広域連携の推進」とした。
◆おださがのペデストリアンデッキ問題は
約2年半前、佐藤氏が政策的優先順位の見直しによって計画を中断したペデストリアンデッキ事業を巡る混乱は収まっていない。今後の対応について両氏に違いが見られ、市長選の争点の一つに浮上した。
沖本氏は「従来通りなら交付された国庫支出金が突然の凍結により期待できなくなったことから、市単独財源のみで整備することは厳しくなった。直ちに国・県と協議する場を設けたい」と再交渉に意欲を見せる。
佐藤氏は「学校施設を含めた公共施設の改修などにめどが立ち、デッキが通行量を含めて街の活性化に寄与すると判断できたときに再検討を行う」と凍結を当面継続する考えを示した。
最後にリーダーの資質として大事なものを尋ねた。
沖本氏は「『決断と責任』と考える。組織のトップとしていかに組織をまとめ、いかに動かすのか、その能力が必要だ」。
佐藤氏は「市民の声を聴く力と生活者の視点や感覚を持ち続けて政策に反映できること。柔軟な発想と決断して実行する能力」とした。