若年性認知症の支援の充実を目指し、川崎市は10月から相談体制などを強化する。これまでは市内1カ所に配置していた支援コーディネーターを2拠点で展開するほか、新たに地域支援推進員を別の施設に置く。増加している相談に対応し、当事者やその家族らに居場所づくりや社会参加への支援をしていく。
市健康福祉局によると、市内には約500人の若年性認知症患者がいると推計されている。2020年4月から支援コーディネーターを配置してきたが、新規の相談は同年の30人から昨年は52人と増加傾向にある。「就労のサポートなど社会参加を促すためにも相談体制の充実を検討してきた」と市の担当者。中長期的な支援を目指す。
来月からは「川崎幸クリニック」(同市幸区)と「かわさき記念病院」(同市宮前区)に、それぞれ医療福祉専門職の支援コーディネーターを配置。これまで支援コーディネーターがいた「NPO法人 マイWay」(同市高津区)には地域支援推進員を置く。コーディネーターは本人や家族からの就労継続などの相談支援や普及啓発の活動に取り組む。地域支援推進員は地域で活動するための体制の整備や、当事者が集まる場の運営などに当たる。市の担当者は「本人の特性に合ったサポートをしながら、社会参加へどうつなげていけるのか。検証を進めていく」としている。