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「5123」「148」「378」…自民党総裁選で広まる“におわせ”サイン? 決選投票見据え最終盤の争い激化

カナロコ by 神奈川新聞 2024年9月24日 20時52分

 9人が出馬し最終盤を迎えた自民党総裁選(27日投開票)でしのぎを削る上位勢に加え、下位の争いも激化している。劣勢が伝えられる陣営からは「大敗すれば冷や飯人事をくらうのは必至」との懸念も漏れる。投票会場でのブロックサインによる“支持におわせ”アピールをもくろむ動きも浮上するなど、優勢か劣勢かの立場にかかわらず全陣営が生き残りに必死の様相だ。

 「5123」に「148」に「378」…。小泉進次郎元環境相(衆院神奈川11区)と石破茂元幹事長、高市早苗経済安全保障相の上位を争うとされる3候補を数字化したものだ。順に「こいずみ」「いしば」「さなえ」と読むとされる。自民関係者によると、この三つの数字が下位陣営の間で急速に広まっているという。

 候補乱立で決選投票が確実視される中で「最後に誰に票を入れるのか」の判断が重要となってくる。決選投票は1回目の投開票直後に行われ、会場で話し合いをしている時間はない。

 そこで浮上したのが会場内でのブロックサインによる意思疎通構想。関係者が思案しているところへ「有力3候補の数字化がサインにはまりそうなのが分かり重宝される」(自民幹部)ことになったようだ。

 サイン構想の浮上は8人もの敗者が出るという今回の総裁選の構図が原因だ。協力をさりげなく“見える化”しておけば人事面などでの優遇や救済があるかもしれない、との皮算用が背景となっている。

 苦戦が伝えられる陣営の幹部は「決選投票に残る人は絞られ『2人』の組み合わせは限られている。事前に投票対象を決めておくこともある」と認めた。その上で「だが下位の陣営ほど投票会場で“におわせ行動”をとって新総裁決定後の人事交渉で起死回生を狙う可能性がある」と指摘。

 過去の党首選ではスーツの上着を脱ぐサインで投票相手を指示するなど、さまざまな試みがあったとされる。「これだけの激戦。自分だって『しない』と言い切る自信はない」と説明した。

 別の陣営の議員は「9人いるうちの半分にも満たない5位以下では政府でも党でもポストは回ってこない」と推測し、「だからこそ負けっぷりも重要になってくる」と話す。「自分の選挙にも影響しかねない。ビリだけは何としても免れたい」と本音を明かした。

 有力候補の陣営は「決選投票ではなく1回目の投票から入れてほしい」と議員票の切り崩しを強化。一方で下位が予測される候補の陣営は「少しでも順位を上げたい」と支持議員の囲い込みに必死だ。劣勢が伝えられる候補を応援する議員は「引き留めと引きはがしの電話とメールが絶えない。消耗でスマホの電源が半日しか持たない」とぼやく。     

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