列車の輪軸組み立て作業で不正が発覚したJR東日本のグループ会社「総合車両製作所」(横浜市金沢区)に対し、国土交通省は30日、鉄道事業法に基づき、立ち入り検査をした。
同社は納入先29社の列車の輪軸2114本で、組み立て作業時にかけた圧力値を日本産業規格(JIS)の基準内に収まるように記録を改ざんした。基準値を超えた車軸は386本、下回った車軸は1728本。
同社の前身は「東急車輛製造」で、2012年まで東急(東京都)のグループ会社。現在も、納入先の約85%を東急電鉄(同)が占める。東急によると、改ざんは全5216本(1309両)中、647本発覚したという。同社関係者は「極めて遺憾。徹底した事実究明と再発防止を求める」と語る。
総合車両製作所による改ざんは、みなとみらい線(MM線)を運営する横浜高速鉄道(横浜市中区)で14本判明。江ノ島電鉄(藤沢市片瀬海岸)では、複数本確認されたとしている。
総合車両製作所の担当者は「信頼を大きく損なうこととなった。再発防止に努めたい」と話している。立ち入り検査は10月1日も実施され、同社ほか東急本社でも行われる。