神奈川県厚木市と海老名市間の相模川にかかる相模大橋が、本年度の「土木学会選奨土木遺産」に認定された。神奈川県が1日、発表した。県管理の道路関係施設としては、相模川上流の小倉橋や三浦半島の城ケ島大橋などに続き5例目。
相模大橋は長さ381メートル。国内で初めて20トンの荷重に耐えられる設計で、1955(昭和30)年に完成した。通常の鋼よりも丈夫な高張力鋼が用いられ、日本の橋の技術発展の礎となったことが評価された。
国道246号の橋として建設されたが、現在は上流側に同国道の新相模大橋が造られ、相模大橋は県道となっている。県厚木土木事務所によると、建設当初は歩道がなかったが、64年に上流側、97年には下流側にも歩道が設けられた。
明治後期まで周辺では「厚木の渡し」の渡船が使われていた。08(明治41)年に両岸をつなぐ「相模橋」がやや上流側に完成。この橋はその後、洪水で流失し、2代目の橋は関東大震災で損壊。3代目の相模橋は26年に完成し、昭和30年代まで使われたという。同事務所では「相模大橋の歴史的価値が認められ、名誉なこと」としている。