教科書採択を審議・決定した教育委員会会議の音声データを情報公開請求したところ、約70万円の手数料納付を求められたのは、知る権利の否定で違法などとして、かながわ市民オンブズマンの代表幹事が4日、神奈川県横須賀市を相手に手数料負担額の取り消しを求める訴訟を横浜地裁に起こしたと明らかにした。提訴は同日付。
訴状などによると、同オンブズマンは県内自治体に対し、今夏の教科書採択に関する教育委員会会議の音声データを情報公開請求。横須賀市に9月、採択日の会議の録音データ(約6時間)の公開を請求したところ、市情報公開条例の規定により、公開実施手数料として70万4450円の納付が必要と説明された。
同オンブズマンによると、同様に請求した他自治体からは複写用CD─Rの実費相当額(27円~130円)や、電磁的記録のコピー作成に要する手数料(1ファイルにつき210円)の納付により音声データの複製交付を受けられたという。その上で「このような高額な手数料の負担を課すのは知る権利の実質的な否定。情報公開請求制度の否定でもある」と問題視し、今後は条例改正も求めていきたいとしている。
同市総務課は「訴状が届いていないのでコメントできない」とした。