首相就任から8日という現行憲法下では最短で解散され、投開票(27日)を迎える今回の衆院選。神奈川県内各地では、秋のイベントや運動会シーズンを迎えていて学校や公共施設では職員が対応に追われている。「すぐに選挙はやらないと言っていたのに…」。関係者からは恨み節も聞こえてくる。
1974年から始まり、来場者20万人を超える川崎市内最大規模の「高津区民祭」(同市高津区)は27日に開催予定だったが、中止に追い込まれた。大山街道一帯をみこしや子どもらがダンスで練り歩くパレードには約3千人が参加。これまでは夏に催してきたが、猛暑の影響で今年は秋に移行することが決まっていた。
同祭実行委員会で事務局長を務める鈴木章弘さんは「区内の地域のお祭りとも重ならないように決めた日程が、まさかピンポイントでかぶるとは」とショックを隠さない。石破茂首相が早期解散に否定的だったことにも触れ、「野党と論戦してから解散すると思って安心していた」と嘆いた。
主要会場の一つが投票所になったが、パレードのルートを変えて実施することを模索した。しかし、当日は事務局メンバーの大半が衆院選の対応に駆り出されることになり手が回らないことが判明、安全性を重視しての苦渋の決断となった。10日までに代替イベントを求める声が50件以上も事務所に届いているという。