YBCルヴァン・カップは13日、ホームアンドアウェー方式の準決勝第2戦が行われ、川崎はホームU等々力で新潟と、横浜Mは敵地で名古屋と対戦する。試合開始はいずれも午後3時。第1戦は川崎が1―4、横浜Mは1―3で落とし、神奈川県勢両チームは後がない状況に追い込まれた。ファイナル進出へ、今こそ執念を見せたい。
「2点差はひっくり返せる。とにかく集中することが大事だ」。横浜Mのハッチンソン監督は11日の全体練習後、語気を強めた。
ホームでの第1戦はセットプレーから3失点。修正を施しても別の形で失点する悪循環に、試合後には「何も言うことがない。守備ができません」とため息をついた。
まるで鏡映しのリプレーを見せられているかのように左右のCKから立て続けに失点し、「人任せになっていた部分があったんじゃないかと思うし、マークも緩さが見られた」とDF上島。スローインからの流れで奪われた3点目も含め競ることすらできない状況に、指揮官も「何が起きているのかみたいな感じで見てしまっている。絶対に許されるものではない」と厳しく指摘した。
ハッチンソン監督が求める「集中とフォーカス」はセットプレーに限らない。立ち上がりの失点が目立つのも懸念材料で、「集中して入ろうと言っているけれど、締められていない」とDF松原。チームリーダーのMF喜田の状態が不透明な中、「誰がというよりかはみんなが中心になって、主役となってやっていくしかない」と責任をかみしめる。
下を向いているだけでは何も変わらない。現実を受け止めつついかに前に進むか。重たい空気を振り払うように、GK飯倉は言った。「防ごうとしたら違うところでやられるから。考えることは必要だけど、そこに執着しないことが大事かな」。90分通して見れば、必ずしも全てがネガティブな内容ではなかった。
2―0以上で勝つしかない。「チームって生き物だし、いい時もあれば悪い時もある。行くしかねえなら、やられてもいいからやりにいかねえとダメじゃないかな。やられてもやり返す、そんなマリノスがみんな好きだろうからね」とベテラン守護神。開き直って挑むだけだ。