15日公示の衆院選(27日投開票)を前に、神奈川16区の立候補予定者による公開討論会が11日夜、厚木市内で開かれた。出席者は経済や外交・防衛、教育・子育て支援などをテーマに意見を戦わせ、持論を展開した。
16区(厚木・伊勢原・海老名市)では、厚木、伊勢原、海老名の3青年会議所が厚木商工会議所(厚木市栄町)で開催した。自民党・前職の義家弘介氏、立憲民主党・前職の後藤祐一氏、日本維新の会・新人の伊左次美江氏の3人が出席。「経済、税と社会保障」「外交・安全保障」「教育、子育て、若者支援」「政治とカネ」をテーマに議論を交わした。
「経済、税と社会保障」について義家氏は、賃上げが近年実現されていることに触れ、「賃上げ税制などを発動し、非正規で希望する方には正社員になってもらう。同時に働き方改革を進めてライフスタイルを豊かにしてもらう」と主張。それらが経済成長や税収増などにつながるとし、「時代と状況に合わせながら切れ目なく政策を打ち続けていく」と力を込めた。
後藤氏は、かつて日本は分厚い中間層の消費が経済を支えていたが、2004年に製造業の労働者派遣が解禁された頃から格差が拡大したと指摘。「契約社員や派遣社員を採用できる職種を絞り、正社員を増やしていく。最低賃金を1500円以上に、できるだけ早いペースで上げていく」と述べ、超高所得者を念頭に金融所得課税の強化も訴えた。
伊左次氏は、社会保障を巡り「高齢者を支える若者が崩れてしまったら元も子もない」と強調。現役世代に重点を置くとした上で、「社会保険料など引き下げられるものを下げて手取り額を増やし、現役世代を助け、高齢者を支えていく日本にすべきだ」と訴えた。消費税減税や、物価高の状況でも消費を喚起できるキャンペーンにも言及した。
16区では、他に共産党・新人の山本瑞恵氏と、無所属・新人の吉村勝男氏が立候補を予定している。