秦野市寺山の手打ちそば店「石庄庵」(石井貞男店主)の一帯で、春と秋に咲く「十月桜」がかれんな花を見せている。近くのソバ畑も遅い花を咲かせており、石井店主は「両方の花が同時期に見られるのは異例。秋の風物詩を楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。
十月桜の一部は今週の冷え込みで散ってしまったが、花芽は残っており、今月末までは楽しめるという。
ソバは例年なら花が咲き終わって収穫を迎える時期だが、今年は8月末に接近した台風10号の影響により、約1千平方メートルのソバ畑が表土ごと流出。「新そばを楽しみにしている人が大勢いる。やめるわけにはいかない」(石井店主)と9月に再び土作りから始め、ようやく開花に至ったという。一面に咲く小さな花が風に揺れ、ミツバチが行き交っていた。
問い合わせは、同店電話0463(82)1222。