第50回衆院選が15日公示され、神奈川県内20選挙区に計85人が届け出た。石破新内閣の信を問う政権選択選挙。12日間の選挙戦が幕を開け、与野党は「政治とカネ」の問題や物価高に絡む経済対策などを争点に激しい論戦を展開する。投開票は27日。
戦後の衆院選で県内選挙区からの立候補者が最も多かった1996年(17小選挙区)と並ぶ候補者数となった。小選挙区定数の「10増10減」に伴い、今回から選挙区が2増となったことや、「共闘」が整わずに野党各党が積極擁立を進めたのが要因。小選挙区制下で最少だった前回2021年の51人を大幅に上回る。
85人の内訳は、自民党20人、立憲民主党18人、日本維新の会15人、共産党15人、国民民主党2人、れいわ新選組1人、社民党1人、参政党9人、無所属4人。
自民は全20小選挙区で擁立。党派閥の裏金事件に絡み、政治資金収支報告書に不記載があった16区の前職は党方針で比例重複から外れた。党四役の一人である11区の前職も比例重複しない。
一方、県連は4回連続で比例復活当選している4、9区の前職の比例重複を外して申請したが、党本部は重複を容認した。73歳定年制に該当する1区の元職や、2、10、20区の前職も比例重複を申請しなかった。
連立政権を組む公明党は県内選挙区で候補者を立てなかった。県内の自民17人の推薦を決めている。
対する野党は候補者の一本化で共闘した前回から一転、乱立の様相となった。
前回は立民、共産、国民、れいわ、社民で全国的に候補者調整を図り、県内でも8選挙区で自民との一騎打ちの構図となったが、今回は各党の思惑のずれで共闘が整わなかった。
特に、前回は5人の出馬にとどめた共産が15人の擁立を予定。そもそも共闘の枠組みに加わらない維新も前回から倍増の15人を立てる。ともに連合の支援を受ける立民と国民も2選挙区で競合。こうした結果、与野党の一騎打ちとなるのは17区のみとなる公算が大きい。
投票は27日に県内1652カ所で行われ、期日前投票は16日から26日まで。