超短期決戦の衆院選(27日投開票)を巡り、「投票所入場券」が手元に届かないケースが神奈川県内で相次いでいる。石破茂首相による正式な解散表明から公示までの期間が短く、有権者数が多い自治体などで発送準備が間に合わないためだ。投票行動への影響を懸念する声も上がる中、各地の選挙管理委員会は「入場券がなくても投票は可能」と呼びかけている。
全国最大規模の約170万世帯に入場券を発送する横浜市の選管は、郵送完了を23日と見込む。衆院解散が正式に決まるまで印刷会社と契約できず、担当者は「封詰め作業もあり、期日前投票が始まる16日までに届けるのは難しかった」とこぼす。約77万世帯が対象の川崎市も市内全域に行き渡るのは21日とみており、「印刷会社に無理を言って急いでもらったが間に合わなかった」という。
18日までの到着を見込む自治体からも困惑の声が上がる。相模原市の担当者は「選挙人名簿の確定日を早めると直近の転出入者を反映できないジレンマがある」と吐露。平塚市は郵便事情の厳しさも遅れの一因と説明する。