沸き立っていた敵地をため息に変えた。横浜DeNAの代打フォードが五回に同点となる適時打を放った。
0―2の五回だ。先頭梶原の右安打、続く森敬の適時三塁打で1点を返し、なおも無死三塁。「フォークを追いかけないよう高めに目付けをしていた」。戸郷のその決め球を見極めてフルカウントにすると、6球目の外角フォークボールを捉えて前進守備の二遊間を破った。
7月に途中加入した左の大砲。首位打者オースティンの存在もあり出場機会は限られたが、CSファーストステージでは代打本塁打を放ち、短期決戦でその実力を示した。
試合が始まってからバイクをこいでアップするなど入念な準備を怠らなかった左打者は「最高の当たりではなかったが、チームに貢献することができてうれしい」。塁上で、ベイスターズベンチに向かって右拳を突き上げた。