土砂災害や建物の崩落現場でのさらなる崩落を早期に把握しようと、神奈川県平塚市消防本部は、今秋から「崩落監視システム」を導入した。これまで、目視や音、嗅覚に頼っていた崩落現場の監視を、デジタル技術を駆使した機器で測定。救助隊員の二次被害を防ぎながら要救助者の救出に着手できる。
同システムは、崩落危険箇所にレーザー光線を照射し、同システムと崩落が想定される対象物の距離を測定。わずかな動きでも感知すると光やアラームで瞬時に危険を知らせる仕組み。崩落の対象物から50メートル離れた場所で使えるため、隊員が危険な場所に入らなくても安全確認が可能で、リモコンを使えば100メートル離れた場所からも監視できるという。
2021年7月に静岡県熱海市で発生した伊豆山土石流災害や今年1月の能登半島地震を受けて導入を決めた。同システムは横浜、相模原、横須賀市の各消防でも活用されているという。
平塚市消防は「土砂風水害の現場以外にも、火災現場での現場検証や、倒壊家屋などの救助活動で活用したい」としている。