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元民主では…相模原・本村市長が甘利明氏を応援 市民に違和感と理解

カナロコ by 神奈川新聞 2024年10月29日 21時10分

 27日投開票の衆院選で、自民党重鎮の甘利明氏が立憲民主党の新人に敗れた神奈川20区。県内でも吹き荒れた自民への逆風を象徴した選挙戦で目立ったのが、街頭で熱心に甘利氏を応援する相模原市の本村賢太郎市長の姿だった。特定候補に肩入れする本村氏に違和感を抱く市民もいる一方、首長という立場に理解を示す声も聞かれた。

 23日朝、同市南区の路上。「市長」と書かれたたすきをかけた本村氏が甘利氏と並び立ち、笑顔で手を振っていた。

 南区と座間市にまたがる20区は区割り変更による新設区。甘利氏にとって同区は出生地で、中選挙区時代に初当選した旧神奈川3区と重なる。ただ、新住民も多く、党の「定年制」により比例重複もない背水の陣。浮動票をつかむためにも知名度の高い本村氏の応援は頼みの綱だった。

 一方で、本村氏は市内のもう一つの選挙区である14区では自民前職と立民新人の両陣営でマイクを握った。14区で見せた“バランス”への配慮が、甘利氏支持の旗幟(きし)鮮明ぶりを際立たせる格好となった。

■「やりすぎではないか」「大人の世界」

 市民の間では、旧民主党の国会議員だったイメージが強い本村氏。甘利氏への応援は自民党へのすり寄りにも映り、「やりすぎではないか」との声も上がる。一方で、故藤井裕久元財務相の秘書だった経歴を知る市民は「藤井さんは元々は自民党出身で、本村さんは保守系では。そうしたいきさつは大人の世界では断ち切れないものだ」と話す。

 そうした中で波紋を呼んだのは、21日に南区で開かれた甘利氏の集会での発言だ。本村氏は「座間市と相模原市の未来のために、この政治家がいなければ地域の発展がないんです」と力説。「携帯電話の『あ』からもう一度確認してください。私はメールを300件、電話作戦120件、車の中でやって参りました」と支持拡大を呼びかけた。

 仮に候補者名を挙げて投票依頼メールをしていれば公職選挙法に抵触する可能性があり、本村氏は神奈川新聞の取材に「(法に抵触しない無料通信アプリの)LINE(ライン)だった」と釈明した。

 公示前の定例会見で「選挙になると血が騒ぐ」とも語っていた本村氏。公務で15日にカナダへ出発し、帰国した翌20日に14区候補の集会であいさつするなど選挙期間中、大忙しだった。

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