県内で5~9月に熱中症として救急搬送された人数は計4814人に上り、統計の残る2011年以降で最多だったことが、県のまとめで分かった。7、8月を中心とした記録的酷暑の影響で、半数以上を高齢者が占めた。このうち70代と80代の計2人は搬送後に死亡が確認された。
今夏は横浜市中区で観測された猛暑日が計22日を数え、昨年までの観測史上最多の日数(計9日)を大幅に更新。気象庁が気温を測定している県内全5地点で月別の平均気温が7~9月の3カ月連続で最高となるなど、記録ずくめの酷暑となった。熱中症警戒アラートも37回発表され、21年度の運用開始以降で最多だった。
県によると、死亡した2人はいずれも男性。7月22日に小田原市内の海岸で倒れていた男性(83)が亡くなったほか、同30日に横須賀市内の自宅で心肺停止だった男性(71)が搬送後に死亡した。
3週間以上の長期入院が必要な重症は164人(3%)、短期入院を要する中等症が1828人(38%)、軽症が2820人(59%)。合計の搬送者数は、これまでの最多だった18年(4710人)を上回った。