夜空を彩る星々に魅了された小学1年生の男子児童が快挙を成し遂げた。天文学の知識を測る「天文宇宙検定」(天文宇宙教育振興協会主催)で、中学生の履修レベルに相当する3級を6歳で合格した。大人顔負けの知識を持つのは、川崎市幸区に住む夏目康太朗さん(7)。「引っかけ問題もあって難しかった。うれしい」。目を輝かせ、夏目さんは宇宙に夢を追う。
「エンジンはどこに付いていると思う? 二つずつ羽を付けた。名前はまだ決めていなくて、思い付くのを待ってる」
自宅でくつろぐ夏目さんは、おもちゃで組み立てたスペースシャトルを手に持ち、楽しげに話し始めた。
小学校に今春入学したばかりの夏目さんは、3歳の頃には未知が広がる宇宙に興味を抱いた。天体や宇宙開発の細かな情報が詰め込まれた図鑑を両親にねだったという。
200ページほどある図鑑をめくり、漢字やアルファベットがあれば「これ何?」と両親に聞き、やがて1人で読めるようになった。図書館にある宇宙関連の書籍を何冊も借りては知識を深めていった。
「朝は5時半ぐらいから読んでる。寝る前には1時間ぐらい」と夏目さん。衛星の打ち上げ日や軌道周期の細かな数値がページを埋め尽くす本も、お気に入りの一冊だ。「知らないことがたくさん書いてあるから、楽しい」
母親の蛍さん(36)は「本人は勉強とは思っていないみたい。本当に好きで趣味になっている」と目を細める。5歳で4級に合格していたが、今年6月に受験した3級の合格証書が届くと、すぐに写真に収めるほど喜んだという。
同検定は高校生レベルの2級、理工大レベルの1級と続く。「もう少し大きくなったら取ってみたい」。夏目さんはそう言いながら2級のテキストに目を落とすと、周囲の声も聞こえなくなるほどに集中する。小問を解くことができると顔を上げ、「合ってた」と笑みを浮かべる。
今は手に乗る大きさに作ったスペースシャトルは、夢の第一歩だ。打ち上げる目的も考えている。夏目さんは「開発した宇宙船で図鑑にもない惑星を見つけてみたい」と声を弾ませる。