日没近くになると聞こえてくる「ギャーギャー」といった鳥の鳴き声。JR平塚駅周辺に集まるムクドリの大群に、駅利用者や平塚市が頭を悩ませている。市は街路樹にネットを張ったり、ムクドリが嫌がるようなにおいを付けたりと対策は講じるものの、「ムクドリが慣れてしまい決定的な解決策はない。まさに『いたちごっこ』」と嘆いている。
市道路管理課によると、ここ数年理由ははっきりとしないものの、春から秋は駅の南口に、秋から春は駅の北口に、共に日没前からムクドリが集まる傾向にある。
同課は「夜間は駅北口の街路樹で休んでいる。駅周辺は市街地で夜間でも明るく、外敵が来ないのが要因ではないか」とみている。市民からは「ロータリーに車で行く際、車が(ふんで)汚れる」「道路がふんで汚い」といった声が寄せられているという。
同課も手をこまねいていたわけではない。ムクドリが木で休めないようにと、街路樹を剪定(せんてい)したり、秋の台風シーズンが終わるのを待って木全体にネットを張ったりと試行錯誤はしている。ただ、どれも一時的には効果が見られるものの、「ムクドリが学習してしまう」(同課)ため、根本的な解決には至っていない。街路樹を切り倒すことに関しては「市の玄関口の景観もあり、現時点では考えていない」とする。鷹匠(たかじょう)に依頼して天敵のタカを飛ばしてもらうところもあるが効果は一時的という。