今夏のパリ・パラリンピック競泳男子50メートル背泳ぎ(運動機能障害S5)で7位入賞を果たした日向楓さん(19)が7日、母校の県立旭高校(横浜市旭区)で講演し、約600人の後輩を前にパラ競技や多様性について語った。
日向さんは、自らの競技中の映像を見せながらパラ競泳について「障害によっていろいろな泳ぎ方があるので面白い」とアピール。生まれつき両腕が欠損しているという日向さんは「腕がない分、大きく泳げないので、足でピッチを上げて早く泳げるようにしている」と秘訣(ひけつ)を語った。
生徒の質問にも答えた日向さんは、障害者への接し方について「正解はないが、僕は障害の有無にかかわらず同じように接してほしい。人によっていろいろな考えがあるので、相手に聞くのがベスト」とアドバイスした。精神力を培う方法について聞かれた際には「経験を積むことで自信を持つことができる。自分を信じて最後までやりきることが大事」とエールを送った。
同校1年の生徒(16)は「腕がない生活を考えたことがなかったが、足だけで生活していてすごいと感じた」と話し、別の1年生(16)は「日向さんの失敗を恐れない姿勢をまねしたい」と感銘を受けた様子だった。
講演を終えた日向さんは「緊張はしたが、自分が伝えたいことはしっかりと伝えられた。みんな真面目に聞いてくれて、改めて母校の温かみを感じた」と笑顔を見せた。