海上自衛隊の新人初級幹部を育成する遠洋練習航海部隊の帰国行事が11日、海自横須賀基地(横須賀市西逸見)で行われ、隊員や乗員家族らが出迎えた。部隊は約5カ月にわたり11カ国を巡った。
初級幹部約190人を含む約570人が、練習艦「かしま」と同艦「しまかぜ」の2隻に分かれ、5月20日に晴海埠頭(ふとう)(東京都中央区)を出港し、過去最長となる175日間の同航海を実施した。洋上生活や訓練を通じ、航海に必要な基礎知識や技術、国際感覚を学び、訪問国との友好親善の増進を図ってきた。
外交関係樹立40周年のブルネイや同100周年を迎えたトルコ、米国、メキシコなどに寄港して、今月9日に帰国した。
帰国行事で穂坂泰外務政務官は「航海で身に付けたシーマンシップと国際感覚を持って、わが国と国際社会の平和と繁栄のために任務にまい進されることを期待する」と述べた。
帰国行事には乗員家族約450人も参加。茨城県から訪れた50代男性は「(長男が)帰ってきてくれてほっとした。これからは世界的に難しい情勢の中での任務になる。無事に働いてほしい」とエールを送っていた。初級幹部は11日付で、各部隊に配属される。