衆院選で躍進した国民民主党が掲げる「年収103万円の壁」の見直し論議を巡り、黒岩祐治知事は11日の定例会見で、同党の主張通り、所得税が課される年収を103万円から178万円に引き上げた場合、「県の個人県民税に(単年度で)最大1千億円近い(減収の)影響が生じると考えられる」との見解を示した。
その上で「地方の財政運営に影響が生じないよう、政府は代替財源の確保を含め、慎重に検討してほしい」と求めた。県税収のうち、個人県民税は2021、22年度とも決算ベースでおよそ3500億円だった。
一方で、知事は「県民目線に立てば、年収の壁を越える見直しをしてほしいとの思いがかなりあるのではないか」とも述べた。
同党は「手取りを増やす」ことを掲げ、「103万円の壁」見直しを主張。ただ、国と地方で年7兆6千億円程度の税収減が見込まれ、全国知事会などが懸念を表明している。