紅葉シーズンを前に、神奈川県警伊勢原署は大山周辺で登山客の遭難事故を想定した対策訓練を行った。秋の人事異動に伴って配属された署員ら約40人が参加し、山道や遭難多発地点などの把握、救助技術の取得に努めた。
7日に行われた訓練では、道に迷った通報が多いとされる大山西側の「かごや道」や蓑毛(みのげ)峠付近の特徴などを学び、負傷者搬送として署員を背負っての下山に真剣な表情で取り組んだ。
今年の同署管内では、56件の山岳遭難事故を認知し、65人を救出している(11月9日現在)。ともに昨年から大幅に増加しており、原因の第一として体力不足が挙げられる。帰りのロープウエーの最終運行に間に合わず、ライトなどの夜間装備もないために通報するケースも多いという。鈴木秀樹副署長は「登山計画書を必ず提出して、体力に見合った無理のない登山を楽しんでほしい」と話していた。