今夏の海水浴シーズンに海の家の営業時間の延長や音楽イベントを試験的に実施した逗子海水浴場(神奈川県逗子市新宿)について、地元の新宿自治会が来年以降に時間延長やイベント実施をしないように同市の桐ケ谷覚市長に要望していたことが14日までに分かった。2013年に「クラブ化」した海の家のトラブルから殺人事件まで発生しており、治安悪化に対する不安感は根強く、住民アンケートでも約6割が時間延長に反対しているという。
同市は近年、猛暑による夕涼みの需要を取り込もうと、今年は8月1~18日の期間限定で海の家の閉店時間を午後8時から同9時に延ばした。25店舗が営業時間を延長し約5千人が訪れた。また、これまで開催されてこなかった音楽イベントも今夏初めて実施した。
海の家の事業者などでつくる逗子海岸営業協同組合は、午後8時以降は店内で音楽を流さないよう申し合わせ、イベントでも音量が大きくならないよう調整するなど住民に配慮。結果的に期間中に苦情は1件もなかったという。
しかし、同自治会が8月、海に近い新宿1~5丁目の住民を対象にしたアンケートには470人が回答し、59.6%が午後8時までの海の家の閉店を望んで時間延長に反対。また、音楽イベントも40.4%が「今後も行うべきではない」とし、イベントを「拡大して実施すべきだ」は6.4%だった。路上のごみのポイ捨てや「夜間に酔っぱらいが騒ぐ」など不満の意見も多く挙がり、約9割の住民が路上への防犯カメラ設置を望んだ。