2004年に26歳で亡くなった作曲家・本田祐也さんの楽曲を紹介するイベント「埋立地(うめたてち)での音楽 汽車道パレード」が17日、横浜・みなとみらい21(MM21)地区で行われた。この日のために結成されたスペシャルバンドが汽車道をパレードし、観光客らはスタイリッシュな音楽を楽しんだ。横浜みなとみらいホールの主催。
本田さんは東京芸大の学友らを中心にバンド「チャンチキトルネエド」を結成。チンドン屋をほうふつとさせる懐かしいメロディーをバンドセッションに展開するなど、独自のパフォーマンスで話題を集めた。
現代音楽の分野では、日本現代音楽協会主催の作曲コンクールで新人賞を受賞。「若き天才」と呼ばれ、ジャンルを超えた活躍が期待されていたが、自ら命を絶った。
残された作品は100曲を超え、今回のイベントに向けて気鋭の作曲家・梅本佑利さん(22)が編曲を手がけた。梅本さんは中学生の頃、インターネットを通して本田さんの曲と出合い、作曲家となった後に縁あって本田さんの家族や親交の深かった音楽家らと交流するようになったという。
「本田さんの曲は団地やショッピングモールといった土地や場所に根ざし、ストリートカルチャーとも関連がある」と話す梅本さん。「本田さんは多くの音楽家に影響を与えた大切な作曲家。残された楽曲を埋もれさせてはいけない」と力を込める。
パレード後はクイーンズスクエア横浜でミニライブも行い、「光沢感のあるショッピングモールに、グラフィティ(スプレー缶で書く落書き)を塗ったような達成感がある」と喜びを表現した。