在日米海軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地（神奈川県大和、綾瀬市）の航空機騒音解消を目指し、周辺住民らが国に自衛隊機や米軍機の夜間・早朝の飛行差し止めと損害賠償を求めた「厚木基地第5次爆音訴訟」の判決が20日、横浜地裁（岡田伸太裁判長）で言い渡される。原告側は、米空母艦載機が2018年3月に岩国基地（山口県）への移駐した後も「厚木基地周辺での騒音被害は続いている」と主張しており、岩国移駐後の騒音状況をどう評価するかが最大の争点となる。
原告は大和、綾瀬、相模原、座間、海老名、藤沢、茅ケ崎、町田（東京都）の8市の住民ら8738人。国の住宅防音工事の助成対象となる、現行のうるささ指数（W値）75以上の区域の住民らが17～18年にかけて3陣に分かれて提訴し、原告数は1976年の第1次提訴から続く厚木基地爆音訴訟で過去最多となった。
原告らは、騒音被害への損害賠償として1人当たり月4万円の支払いを民事訴訟で請求。飛行差し止めが実現するまでの将来分の賠償も求めている。
同基地を発着する自衛隊機と米軍機については、午後8時～翌午前8時の飛行差し止めを民事訴訟と行政訴訟の両方で請求。民事訴訟では、被害解消に向けた米国との協議を日本政府に義務付けることも求めた。
5次訴訟では、2017年8月の提訴後に米空母艦載機が厚木基地から岩国基地に移駐していることから、騒音状況の変化を判決がどのように評価するかに注目が集まっている。