第55回記念明治神宮野球大会は19日に開会式を行い、20日に開幕する。高校の部には秋季関東大会優勝の横浜が出場。神奈川勢の参加は2018年の桐蔭学園以来となる。県大会を制し、関東大会でも健大高崎(群馬)など全国屈指の強豪に競り勝った横浜。「秋の日本一」を目指し、21日に明徳義塾(四国)との初戦(準々決勝)に挑む。
すっかり肌寒さを感じるようになった横浜高校長浜グラウンド。17年ぶりに秋の関東大会を制したナインは、まるで夏の大会前のような緊張感で練習を続けている。
「関東を勝って、これまでより選手たちにうるさく言うようになった。野球の技術はもちろん、食事や生活態度といったことまで」と村田浩明監督(38)。目指す高みはまだ先。どこよりも勝者にふさわしいチームに、というところだろう。
指揮官は新チームについて、「スタートしたときから夏のチームのようだった」と表現する。多くの1年生がベンチ入り。夏の神奈川大会から出場してきた選手たちばかりで、秋の時点で経験値も持ち合わせる。
完成度の高さを示したのは関東大会決勝の健大戦だ。もつれこんだ十回タイブレーク。エース奥村頼がちゅうちょなく左打者のインコースに速球を投げ込み、ワンボールからのバントは強いゴロに。猛チャージをかけた一塁小野が即座に三塁に送球し二走を封殺した。
奥村頼、小野、そして三塁の為永が「バントを強い打球にさせる。練習通り」と口をそろえたプレー。村田監督は「(この試合は)タイブレークの守りに尽きる」とうなずいた。