横浜市内で9月、デザインマンホールの蓋(ふた)につまずいて転倒する事故が相次ぎ、1人は手首を骨折する重傷を負っていたことが分かった。デザインを施した蓋は滑りやすく転倒リスクが高いとして、交換を進めていた中で起きた想定外の事故。市は緊急点検を実施し、通常タイプに交換するなど対応に追われた。
転倒事故があったのは、新横浜中央通り(港北区)に設置していた「横浜F・マリノス」のマンホール蓋。港北土木事務所によると、キャラクターが描かれた円形プレートを押さえる金属製リングのネジ8カ所のうち7カ所が外れ、リングが曲がった状態だったという。転倒した女児は擦り傷、50代男性は左手首を骨折する重傷を負った。
同タイプの蓋のネジが外れる不具合はこれまでなかったことから、市は故意に外された可能性も視野に県警に相談。日産スタジアム周辺の63カ所を緊急点検し、プレートの摩耗など劣化が目立つ12カ所を通常の蓋に交換した。
市内には、ほかにも横浜DeNAベイスターズや区制記念などのデザインを施した蓋が設置されている。ただ、プレートは凹凸がなく転倒する危険性が高いことから、市は2022年1月に港南区で発生した転倒事故を機に、不具合が見つかったものから交換を進めていた。
市下水道河川局によると、22年の事故前に約500枚あった同タイプのデザインマンホール蓋は今年10月1日時点で268枚まで減ったという。