鎌倉生涯学習センター(鎌倉市小町)の耐震診断で構造計算を誤ったなどとして鎌倉市が建築士に損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁が当時の計算結果に問題はなかったと市の請求を棄却していたことが20日、分かった。別の建築士の診断で大地震による倒壊の可能性が高いとして同センターは2年間休館し、市民への影響も大きかったが、市教育委員会は同日の定例会で控訴断念を表明した。判決は1日付。
市によると、2009年の耐震診断で、市の委託業者から依頼を受けた建築士は建物の耐震性能を示す構造耐震指標(Is値)を震度6クラスの地震で倒壊リスクの水準を上回る0.53と算出。18年の診断で別の建築士が計算したところ、倒壊の危険性が高い0.3の水準を下回った。
同センターは耐震補強工事のため18年12月から20年9月まで休館。市は20年、「誤った計算で(同センターの)耐震工事の優先度が下がった」として09年当時の建築士に約400万円の損害賠償を求めて提訴した。