立憲民主党は衆院選について総括した19日の常任幹事会で、50議席増となる躍進の一因として選挙戦終盤に発覚した自民党の「2千万円支給問題」を挙げた。総括の詳細はホームページでも公開され、野党に自公過半数を阻まれ少数与党へと転落した自民にとっては「身内から刺された挙げ句、敵から傷口に塩を塗られた感じ」(党幹部)。激戦の余波は収まらず、歯ぎしりする日々が続いている。
「裏金事件」を巡り非公認となった議員が代表を務める自民党支部への党本部からの2千万円支給は、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」がスクープした。衆院選で自民は全国25の選挙区で1万票以内の僅差で野党に競り負けた。選挙戦終盤の2千万円問題が影響したのは確実で、仮にこれらの選挙区で勝利していれば自民・公明の与党で過半数を得られた可能性が高い。
自民内では衆院選直後に小泉進次郎氏(衆院11区)が敗北の責任を取り選対委員長を辞任。新人議員を含む衆参両院議員懇談会で総括名目の議論は行っているものの、不満はくすぶったままだ。
同党関係者によると、麻生太郎最高顧問は14日の麻生派会合で、衆院選について「大変厳しい結果だったのだから、しっかり総括を行わなくてはならない」と強調したとされる。同派は8人が落選し所属は50人を切り45人に落ち込むなど、党執行部への不満が鬱積(うっせき)した状態だ。