無人運転で運行している金沢シーサイドライン車内でのテロを想定した対応訓練が13日、横浜市磯子区の同線新杉田駅で行われた。運営会社や神奈川県警、市消防局などから約70人が参加し、乗客の安全確保に備えて連携を確認した。
訓練は13日、南部市場-新杉田間を走行中の車内で男が刃物で乗客を襲い、不審な液体入りのボトルをドア付近に置いて新杉田駅で逃走を図る想定で実施した。
同駅ホームでは、通報で駆け付けた磯子署員が、刺股やシールドを使って男を制圧。磯子消防署員らが負傷者の重症度に応じて治療の優先順位を決める「トリアージ」を実施し、応援に駆け付けたNBC(核・生物・化学)テロ対応専門部隊が、不審な液体の検知と除去作業を行った。
同線を運営する横浜シーサイドラインによると、無人運転で社員不在の駅もある同線では、本年度中に地上側からリアルタイムで車両内の状況を確認できる防犯カメラを全車両に設置する方針という。
磯子署の中村高久署長は「来年8月に横浜で開かれる第9回アフリカ開発会議は世界中から注目が集まり、テロも懸念される。今後も連携して対処能力の向上に努めたい」と総括した。